外苑前駅から表参道方向に5分ほど、青山通りから1本裏に入ったところにこじんまりと佇む和食器店。
一度行くと、クセになって、つい2点3点と買いたくなってしまうので、寄りたい気持ちと敬遠したい気持ちがせめぎ合うのだが、結局、近くに行くとフラフラと店の引力に負けて足を運んでしまう・・・そんな恐ろしくも魅力があるのが、「うつわ大福」なのである。
この7月、その「うつわ大福」が10周年を迎える。
もともと、全国の作家さんの陶磁器中心の品ぞろえなのだが、7月末まではガラス器をメインに展示されるそうだ。
梅雨空の合間から刺す日差しに夏を感じるこの季節。気泡がリング状に入った片口鉢とおそろいのぐいのみで、冷酒を堪能する・・・。できれば外光の下、気泡の反射を楽しみながら、そんな贅沢な時間を過ごしたいものだが、いつも昼間から飲めるとは限らないので、そういう時はランプやキャンドルに照らされた気泡を味ってみてはどうだろう。
ぐいのみと違って堂々と日中でも、庭先やテラスで使えるのが、このリング状の気泡がアレンジされたモールドグラス。屋外で過ごす至福のひとときを演出してくれること間違いなし。
そして、もちろん、夏の料理を最高に見せてくれるのが、ガラス皿。夏ならではの食材は、せっかくなら夏ならではの器でいただきたいもの。味覚と視覚で季節を満喫することは、ささやかながら最高の贅沢と言えるのではないだろうか。
自粛生活で気づいた “大事なもの”
昨年今年と続く自粛生活。その中で伸び続けるのが“おこもり需要”。食の愉しみといえば、外食一辺倒だったのが、日々の家での食事にシフトしている家庭も多い。
食材にこだわり産直を取り寄せる、レストランの料理を求めてウーバーを走らせる、等々、家での食のクォリティは自粛以前に比べて、ぐっとあがってきているようだ。
ところで、何を料理するか、何を取り寄せるかにかかわらず、食卓に運ぶときは必ず器というものが必要になる。どんなに美味しくできても、どんな有名シェフの料理でも、それを盛る器がイマイチだと、それまでその料理にかかわってきた人たちの努力を無とは言わないが、40%くらいは減らしてしまうのではないだろうか。
つまり、器は、食のアンカーなのである。
食材、調理、そして器・・・これがそろって初めて“美味しい”が実現するのではないだろうか。
自粛生活で目覚めたライフスタイルへのこだわり。お気に入りのガラス器に、夏らしい料理を盛ってみる。なんとはなしに、ヒタヒタと満足感が押し寄せてくるのがわかるというものである。人生には、そんな瞬間も大事なのだと思う。
東京都港区南青山3-8-5 TEL 03-6314-0236
オンラインSHOP www.utsuwadaifuku.net
※7月末までに、「パーリィテラスを見た」と言えば、10%OFFになります。