無染色カシミヤが地球環境に優しい理由

無染色カシミヤとは、染色をしていないカシミヤのこと。今、それが環境に貢献する素材として、注目されています。

寒くなってくると恋しくなる、カシミヤのあの肌触り。ウールの毛糸とは、やっぱり違いますね。そのカシミヤにも、今、様々なSDGs的な取り組みが導入されています。

世界の高級カシミヤの原産地・内モンゴルに、カシミヤ山羊の飼育放牧から原毛採取、洗毛、精毛、紡績、検査、生産までカシミヤの製品化を一貫して手掛けている株式会社ルーエンジャパンの千葉裕之さんに、お話を伺いました。

「SDGs的な試みの一つが、「無染色」という選択です。採取した原毛を、手作業でだいたい白、ベージュ、ブラウンに選別し、洗いにかけて精毛した段階が無染色カシミヤです。なぜ、これがSDGs的な取り組みなのかというと、染色は染料と水を大量に使うからなのです」

染料には化学薬品が含まれているので、染めた後そのまま流すことはできず、水をきれいにしてから廃棄。そこでまた水と電気を大量に使うのだそうです。染料による水質汚染はないものの、限られた資源を大量に使うという点で、これは確かに考慮すべき点かもしれません。

「生産する側としては、もっと増やしていきたいと考えていますが、やはり需要があるかどうかが問題ですね」と千葉さん。

無染色なので白、ベージュ、ブラウンの3色に限られるが、ファッション性のある色みのニットを求める人も多いという。好みはそれぞれなので仕方ないが、カシミヤの肌触りは染色していないほうが滑らかなのだそう。

「色みも天然の原毛は、色々な色が絶妙にブレンドされていて、そこがまた染色したものとは違います。この良さをもっと多くの方に知っていただきたいですね」

無駄を出さないエコ生産もスタート

「無染色カシミヤの他にも、弊社が進めているプロジェクトがあるんです。これまで処分していた精毛機や紡績機の間についた綿毛を収取して再使用することにしました。製品化する前の段階の精毛なので、傷みがまったくないんです」

他のカシミヤ工場でもリユースはしているそうですが、やり方が全く違うと胸を張る千葉さん。

「ふつうは製品から出たものをリユースするんです。でも、そうすると、やはり糸が傷んでいるんですね。弊社はそれはできないと、綿毛段階からのリユースをしているんです」

一般消費者にはわからない、生産者としての「つくる責任」をヒシと感じる千葉さんの言葉に、使う側にも「選ぶ責任」があることを実感。日々の選択の中にも、SDGsに貢献できることは、まだまだありそうです。

エシカルチーム「SDGsWOMEN’s」が無染色カシミヤのニットをプロデュース

ライフスタイルの中で小さなSDGsを実践していくことを目的に結成されたチーム「SDGsWOMEN’s」は、そんな無染色カシミヤのファッション性をもっと多くの人に知ってもらおうと、ニットセットアップを企画製品化。

カシミヤというと、高額でいつまでも着るというイメージがあるためか、ベーシックなデザインが多いもの。でも、それでは着こなしを楽しめないので、価格を抑えめにしてトレンド感を重視したデザインに。

プルオーバー2種は、いずれもドルマンスリーブで、後ろ見頃を長くしたデザイン。長めのリブ袖口や、折れないハイネックなど随所にこだわりが光るディテール。ボトムスには、今シーズンの注目アイテム・ジョガーパンツを提案。リュクスなカジュアルスタイルが楽しめます。

ハイネックニットとジョガーパンツ
ボディラインを拾わないテロリン感が魅力

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10月31日までの、限定予約販売となります。