ここ数年、人気急上昇のミセスコンテスト。今回は、「ミセスインターナショナル2024」に出場し、見事「スピリット・アワード」を受賞された石井桃子さんと、大会ディレクターの伊藤桜子さんにお話を伺いました。
キャンプから審査がスタートする「スピリット・アワード」
P(PearlyTerrace 以下P):石井さん、このたびは「スピリット・アワード」受賞おめでとうございました。この賞は聞きなれない名前ですが、どういう賞なのでしょう。
伊藤(伊藤桜子 以下伊藤):アメリカのビューティページェントでは必ずあるアワードで、外見とともに内面性を評価する賞なんです。
P:その内面性について、石井さんが受賞された理由をもう少し具体的に教えていただけますか。
伊藤:コンテストには30代~60代までの幅広い年代の方が参加しています。それぞれ個性も強く、仲間でありコンペティターでもあるという複雑な関係の中で、数か月間一緒に自分磨きをしていくわけです。中には、キャンプ中に自信を失って落ち込んだり、泣いているような人もいるんですが、石井さんはそういういわばライバルになる人にも積極的に声をかけて励ましていたんです。
P:そこが審査された。
伊藤:そうです。コンテストの審査は、各審査員が項目別に点数を入れていく形で集計されます。最終の集計では発表まで時間がないので審査会議などはなく、点数の高い人が自動的に受賞する仕組みです。審査員の多くが石井さんの内面を評価したということですね。
P:10人以上の審査員さんたちも同じ意見だったとは、すごいですね。そんなステージ以外の部分まで審査員はちゃんと見抜いている。ご本人はそんなこと意識していなかったのでしょうけど。
石井(石井桃子 以下石井):実は「スピリットアワード」のことを知らなかったんです(笑)。突然、名前呼ばれて、「えッ、何⁉」という感じだったんです。
伊藤:あわてていたものね(笑)
P:知らないうちに審査されている・・・畏るべし!審査員さんたちの眼力
伊藤:キャンプから審査は始まっているということですね。
生粋の“山ガール”がコンテストにエントリーする
P:ところで、石井さんはどんなきっかけでミセスインターナショナルに出場してみようと思われたのですか?失礼な言い方になるかもしれませんが、ミセスコンテストにご興味を持たれるようなタイプではないようにお見受けしましたので。
石井:そうですね。私は登山が趣味なんです。これまでは平日は仕事、週末は山という生活の繰り返しで、メイクとかおしゃれにはまったく縁がなく、コンテストの存在自体も知りませんでした。
P:その石井さんが、どうして出場しようと思われたのでしょう。
石井:きっかけはやはり(伊藤)桜子さんに出会ったことです。その素敵なお人柄に惹かれました。次にダイエットできるという言葉に惹かれました(笑)。外見面だけでなく、振る舞いやスピーチなど、今まで経験したことのない自分磨きが出来るというところも魅力でしたね。これまで仕事にしても登山にしても女性であることにあまりメリットを感じないできたので、この際女性であることを思いっきり楽しもうと。
P:そうなんですね。で、実際参加されて、どうでしたか?
石井:やはり、輝いているね、とか言われることは多くなりました。自分としてはスピーチレッスンのおかげで、ゆっくり落ち着いて話せるようになったのが嬉しいですね。自分の成長が感じられる経験が出来たことは大きいと思います。
P:これもお聞きしていいものか・・・石井さん、ファイナルのステージでツケマ(着けまつ毛)していました?
石井:(笑)いちおう着けていました。あまり長くないものを。
P:そうでしたか。色々な見方がありますが、あまりボリュームのあるツケマだと本当のお顔がわからなくて、同じような印象になっちゃう。石井さんはお顔立ちや表情がよくわかって、その笑顔からお人柄のようなものを審査員さんたちも感じ取ったような気がしますが。あくまで私見ですが。
人とのつながり、新たな世界との出会い
P:今回、初のフィットネスウエアでの審査が導入されて、年代別のパフォーマンスもありましたよね。あの振り付けは、皆さんで考えたんですか?
石井:そうです。それぞれのチームで考えました。
P:みんながライバルという中で、意見のぶつかり合いなどは無かったんでしょうか。
石井:皆さん、大人でしたね。ファイナルのステージを良くしようという気持ちで一致団結していたと思います。その原動力になっているのが、桜子さんだったと思っています。
P:というと
石井:分け隔てなく、全員がキャリアアップしていくように目をかけてくださるんですね。全員が信頼していましたし、心強い存在でした。
伊藤:自分が出た時のことを思いだして、ついアドバイスしたくなっちゃう。このコンテストにエントリーした全員に、何らかの成果を感じていただきたいんです。
石井:参加して辛い時も楽しい時もありましたが、エントリーした事自体に大きな意義があったと思います。中心に桜子さんがいてくださったから、みんな自分の事と同じくらい大会ファイナルの成功を望んでいましたね。
P:ファイナリストさんたちは大会後も仲良しのようですね。
石井:コンテストでこれまで知り合うことがなかったタイプの方たちとお友達になることができました。今日のスタイルもこのインタビューの事をお話したら、コンテストの仲間たちが選んでくれたんですよ。大会の華やかな思い出を共有できる大事な仲間ですね。そういう意味でも、今回の出場には大きかったと思います。
この経験を糧に、次なるステップへ
P:さて、石井さん、コンテストに出場し、「スピリット・アワード」を受賞された今、今後この経験をどう生かしていこうとお考えですか。
石井:私はメーカーの研究開発を仕事としていましたが、40歳を過ぎて管理職にかわりました。その時、部下の指導について悩み、コーチングを受けて救われた経験があるんです。自分自身もすごく変わり、それによって部下たちもやる気を出してくれました。それ以来コーチングに興味を持ち、その先生が代表を務めるフィードフォワード協会で活動を続けていて、認定講師の資格も取りました。そのフィードフォワードコーチングの活動をもっと充実させていきたいと考えています。
P:今回の出場経験で、さらにコーチングに磨きがかかった?
石井:自分にとって未知の世界にチャレンジしたことで、視野が広がり、視座が高くなったと思います。フィードフォワードは未来を見据えてこれからどうしたいかを考える思考法です。過去と未来をリンクさせない。今回の私の経験がまさにそうですよね。山登りばかりしている研究職の女性に、コンテストに出る要素はまったくありません。でも、出ると決めた。そうなると、目標までに何をやっていくかが見えてきて、それに向かって行動していくのがフィードフォワードのやり方なんです。まさに今回は自分で自分のなりたい未来像を決めて行動したと言えますね。
P:メチャクチャ前向きですね。でも、そうなると、踏み出す一歩がとても重要な気がしますが。
石井:そうですね。そのチャレンジなしでは、目標が持てませんから。私も今回、エントリーすると言ったら周りからは「えーッ」と驚かれましたが、達成感は想像していた以上に大きかったです。コーチング的に言えば、ファイナルのステージに立つことを目標にして、どなたにもできるチャレンジなのです。
P:桜子さん、今度は石井さんにコンテストのコーチングをお願いしたらどうですか。ファイナリストさんたちのレベルが、一気にアップするような気がしますが(笑)。
伊藤:冗談でなく、本気に考えたいですね。
P:ぜひ、実現させてください。コンテスト出場で成長された石井さんのコーチングの手腕をミセスインターナショナルの舞台で拝見したいものです。
今回は、ミセスインターナショナル2024「スピリット・アワード」を受賞された石井桃子さんにお話を伺いました。メイクもおしゃれにも興味なかった石井さんは、これまでのライフスタイルと180°違うコンテストの世界にチャレンジし、得難い経験をされました。徹底した自分磨き、変わっていく自分、そして経験を共有する仲間との出会いは、これからの石井さんを大きく変えていくのではないでしょうか。
このインタビューが、お読みくださっている皆さんにとって過去にとらわれない新たな一歩を踏み出すきっかけになると嬉しいです。
お2人とも、今日は貴重なお話をありがとうございました。
ミセスインターナショナル2025 出場者募集